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サクランボ新品種苗木育成 増殖へ前進(20.9.29)

芽接ぎ作業をするJA営農指導員

 

JA南アルプス市は、同管内で生まれたサクランボの新品種「アルプス紅扇(べにおうぎ)」の増殖に力を入れています。

9月29日には優良苗木の育成のため、苗木の生産を委託している㈱千代田(茨城県かすみがうら市)へ営農指導員3人が出向き、中間台木約200本に「アルプス紅扇」の芽の部分を接ぎ込む「芽接ぎ」を行いました。

芽を定着させて真っ直ぐ伸びるように接ぐのには高い技術が必要となるため、経験豊富な営農指導員が行う事で定着率の向上、優良苗木の大量生産を目指しています。

中間台木とは、地面に根を張り土台となる品種(台木)と、実際に実を付ける品種(穂木)を繋ぐ木のことで、台木とは違った性質を穂木に伝えるため、台木との間に挟むことが多くあります。

今回はうるみ果を軽減する目的で、結実が無く成熟の進行が遅いアオバザクラを中間台木に使用しました。

幹に15㎝間隔で切り込みを入れ、そこに形を合わせて切った「アルプス紅扇」の芽を挿しこみ、専用のテープで巻いて接着させました。

「アルプス紅扇」は管内の農家手塚良紀さん(65)が発見、育成し、今年2月に品種登録されたました。

他の品種と比べて実が固めでうるみ果になりにくく、着色、玉張りが良好といった特徴があります。。

JA管内はサクランボ生産の南限と言われ、近年は温暖化などの影響を受け、うるみ果の発生や着色不良が課題となっており、「アルプス紅扇」は現在の環境に対応出来る品種として期待されています。

2021年春には根張りが非常に強く土台となるコルト台木に、今回芽接ぎしたアオバザクラを接ぎ込む「穂接ぎ」と呼ばれる作業を行います。

コルト台木を使用する穂接ぎはJAが試験的に行うもので、JAは結果次第ではこの方法を採用し、増殖を進めて行きたいとしています。

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