環境負荷を軽減 無煙炭化器でせん定枝処分(25.2.12)
2025.02.14


山梨県は温室効果ガス削減に向けた国際的な活動「4パーミル・イニシアチブ」を進めています。
その一環として、特産品である果樹のせん定作業で大量に出る枝を炭にし、土に埋める事で半永久的に炭素を土壌中に留め、大気中の二酸化炭素の増加量を抑える事が出来ます。
この活動に賛同する当JAの子会社「株式会社あぐりファームJA南アルプス市」(以下あぐりファーム)は2月12日、同社の園地でせん定した約300㎏の桃の枝を、木の枝を効率よく炭に変える無煙炭化器を使って焼却しました。
すり鉢状の機器の中で空気が対流し、高温状態になる事で通常よりも短時間で炭を生成する仕組みです。
残った炭を園地に散布する事で、土壌が固まらず地中まで空気を取り入れられるため、土壌改良の効果も期待できます。
土壌が改善すれば使用する肥料も減り、費用削減にも繋がると、メリットは大きいです。
また当JA管内の果樹園では近年、下草を刈り取り敷き草にすることで、有機物として土壌に炭素を蓄積する「草生栽培」が普及し、環境負荷が少ない果樹栽培が根付きつつあります。
当JAは令和3年に県より4パーミル・イニシアチブ農産物認証制度のエフォート(取り組み・計画)認証を受けており、組合員に向け同機器の講習会を開くなど引き続き普及に努めています。
営農経済部手塚英男次長は「温暖化の影響を受け、栽培が難しくなってきた果樹もある。生産現場でも率先して活動し、持続可能な農業を進めていきたい」と話しました。